
9月21日は賢治さんの命日です。
そして毎年詩碑の場所にて賢治祭が行われます。
この日イギリス海岸の姿を復活させようと国土交通省にお願いをして(おそらく宮沢一派の方々でしょう)ダムの放水量を最低にしてみようという企画が今年で三年目になります。
最初の年(一昨年)は大雨により中止、そして去年は前日の雨により17cm程の水位が低下しただけとなりイギリス海岸はうっすらとしか姿を見ることはできませんでした。
今年は約10年ぶりにその姿を見ることができました。
白っぽい泥岩層といわれていましたがその通りでした。

銀河鉄道の夜に登場するプリオシン海岸はイギリス海岸がモデルと言われています。そしてイギリス海岸の歌まであります。それほどイギリス海岸は賢治さんが愛した場所でもあります。
「いつの頃だったか賢治先生はイギリス海岸に訪れたときずっと川の方を何時間も見ていたことがあったことがありました。」
「私が船に賢治先生とのったときにポケットにはいっていたのでしょうか。りんごを一つ取り出して川に落として拾い、そしてまた川に落としては拾う、りんご遊びを始めました。綺麗だ、綺麗だ、といいながら何回も何回も川にりんごを落とすのです。君、全体が綺麗なんだよ。と私に言いました。そしてついには川に飛び込んで泳ぎ始めました。先生はそういった感覚の持ち主でした。」
賢治さんが花巻農学校の先生をしていた時の生徒さんだった方々(現在は高齢)がお話した有名なエピソードです。イギリス海岸は賢治さんにとって創作活動に重要な影響を及ぼした場所であったと思われます。イギリス海岸と命名したのも賢治さんです。

バタグルミの化石を発見。
確かにくるみの形をしていました。
去年このバタグルミの化石をバケツいっぱいに採取していった人を何人か目撃しました。今年観光客の一人にこのお話をすると「えっ、いまはだめなようですよ、記念館の方にイギリス海岸で化石がもし見つけることができたなら取っていいんですか?と聞いてみますと、今は県の管轄の場所ですので禁止となっておりますと言われました」とのお話を伺いました。おそるべし宮沢一族。イギリス海岸が完全に姿を現せば料金も取りかねないと感じてしまいました。
1日だけの復活のため観光客がすごい数でした。
そのなかで階段に佇み静かにイギリス海岸を見ていた老人に声をかけられました。「私がね子供の頃はよく見たんだけどね。ほんとそれ以来だよ。」遠いまなざしでイギリス海外を見ながら語っていただけました。10年ちょっと前くらい前にも一度姿を現していますよと言いたいのをぐっとこらえイギリス海岸を後にしました。