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キヲクトキロク ‘ジョパンニの切符’

ジョパンニの切符

日曜日, 4月 5th, 2009

銀河鉄道

列車が最初の停車地白鳥駅を出発して、
アルビレオの観測所付近にさしかかったとき、
赤い帽子をかぶった背の高い車掌が、切符を拝見と言ってやってくる。

ジョパンニと話していた乗客仲間の鳥捕りは、
黙ってポケットから小さな紙片を出して見せる。
車掌は、見なくても分かるといったふうにすぐに目をそらす。

銀河鉄道に住む住人たち(鳥捕りなど)の切符はおそらく定期のようなものだったのでしょう。それで車掌は一瞥するだけでよかったのだということです。

カンパネルラたちの切符。
それは、鳥捕りたちとは明らかに違うねずみ色の切符。
しかし、これも車掌は簡単に処理をする。
このタイプの切符も車掌は見慣れている切符だったのでしょう。

問題はジョパンニの切符。
ジョパンニは気がついたときには列車に乗っていて、
銀河ステーションを通ったかどうかさえわからない状態。
車掌に切符と言われて困ってしまった。

何か入っているかも?と上着のポケットを探すジョパンニ。
四つ折に折った、はがきぐらいの大きさの緑色の紙で、
一面に黒い唐草のような模様の中に、
おかしな十ばかりの文字が印刷してある切符があった。
この切符を車掌が拝見するときは
まっすぐに立ち直って丁寧にそれを開いて見ていました。
そしてそれを読みながら上着のボタンやなんかしきりに
直したりしていました。と書かれている。
何らかの理由で車掌を緊張させる切符だったことが分かる。

しかし、ジョパンニの切符はそんなに珍しい
貴重な切符というわけではなさそうだ。
それは、印刷された切符だから。
さらに鳥捕りは
「こいつはもう、ほんたうの天井さえ行ける切符だ。
天上どころぢゃない。どこでも勝手に歩ける通行券です。
こいつをお持ちなれぁ、なるほど、こんな不完全な
幻想第四次元の銀河鉄道なんか、どこまででも行ける
筈でさあ」と言っている。

ということは、鳥捕りは以前にも同じものを
見たことがあるということになる。
そして、以前にも天空を昇っていった列車があった
ことになります。